ベトナムのオペラハウス 4選
フランス植民地支配には劇場と刑務所がつきものと言われていました。
植民地を得るとフランス人はまず劇場と刑務所を建てたそうです。
故ホーチミン氏は
「フランスは学校よりも数多く監獄(刑務所)を建てた」
と、かの有名なベトナム独立宣言で述べています。
刑務所についてはまたの機会にして、今回はベトナムの劇場(オペラハウス)について書いています。
ハノイやホーチミン市には、フランスが祖国にあるような劇場を建て、いまでも街のランドマークとして中心地にあります。
せっかくベトナムに来たら見ておきたい、ベトナムの劇場(オペラハウス)を4つ紹介します。
オペラハウス(ハノイ市立劇場)
ハノイのオペラハウスは1901年着工、10年の歳月を経て1911年に完成します。設計者は、公共建築監査官アルレイ。
ここは、革命時の蜂起の場として革命史跡でもあり、ベトナム現代史の上でも重要なランドマークです。
オペラハウスの歴史
オペラハウスは普段正面から入れませんが、横にハイランドコーヒーあり、ここは無料では入れます。
裏口に入り口があるのでわかりずらいですが、ぜひ裏まで回って入ってゆっくりコーヒーを飲みながらオペラハウスを眺めて見ましょう。
コンサートなども定期的に開催されていますので、ぜひチケットを入手して中まで入ってみると良いでしょう。
ハノイのオペラハウスは、ハノイのフランス建築でも最大規模でパリのガルニエにあるオペラハウスにそっくりの建築と言われています。
青いスレート葺きの屋根は、劇場建築に必要な機能のための構成で複雑な形に連なっていて、これもパリのものと同様です。
イタリア産の大理石をふんだんに使用したロビー、大階段に迎いいれられ、ホールへ入るとまばゆいばかりのフランス文化の殿堂が広がります。 ま
たオペラハウスは、八月革命時の蜂起の場として革命史蹟でもあります。
八月革命とは第二次大戦終結後の1945年8月、ベトナムを一時的に統治していた日本の降伏を機にインドシナ共産党がベトナムの独立を目指して起こした革命のことです。
8月19日にこの広場で蜂起を呼び掛ける大々的な集会が開かれ、9月2日の独立へとつながりました。
6本の通りが放射状に広がるオペラハウスの正面は、現在でも多くの若者がつどう憩いの場となっています。
ここを訪れるとアオザイを身に包んだベトナム女性が撮影している姿も見れるでしょう。 敷地内にはカフェもあり、パリのような雰囲気のなかコーヒーを飲みゆっくりとハノイの時間を過ごすこともできます。
動画で見るオペラハウス
ホーチミン市劇場|オペラハウス| Nhà hát Thành phố Hồ Chí Minh
ホーチミン市1区ドンコイ通り沿いに建つオペラハウスも、ホーチミン市の顔になっています。
ホーチミン市民劇場
オペラハウス外から観たことある方は多いかもですが、中に入ると荘厳みたいです。 pic.twitter.com/fAuiCbeM3h
— Koike Yusuke (@yusukekoike21) October 26, 2020
20世紀後半はちょっとモダンなオペラハウス
こちらは、1989年にとられたオペラハウスの写真です。
アーチの上に看板が付いていたり、ドーム部分が格子デザインになっています。
壁面の色もちょっと違います。
優雅な彫刻が目立たなくなり、ちょっとモダンなオペラハウスになっていた時期がありました。
現在は、建設当初のデザインにリメイクされています。
サイゴンのオペラハウス
昔と今
あまり変わらない pic.twitter.com/B0o21EA4FB
— Koike Yusuke (@yusukekoike21) October 21, 2020
オペラハウス地下鉄駅のプラン
現在、オペラハウスの地下には、地下鉄駅が建設中です。
オペラハウス地下鉄駅のプラン pic.twitter.com/VPPQb0hiFm
— Koike Yusuke (@yusukekoike21) November 26, 2020
ホーチミン市オペラハウス地下鉄駅の天井
鳥の巣というか、竹編っぽい pic.twitter.com/FBlAyb1ciC
— Koike Yusuke (@yusukekoike21) September 24, 2020
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ハイフォン市劇場|Nhà hát lớn Thành phố Hải Phòng
ハイフォン市の劇場も1912に建てられた歴史をもつ劇場で、国家遺産に指定されています。
黄色い色に塗られたフランス風のコロニアル建築です。
ここでは、フランスからの独立運動の歴史にも関わる事件が起こっています。。
1946年11月20日にはハイフォン港での密輸船取締で銃撃事件が発生したのを発端に
この劇場の前でフランスとの軍事衝突に発展する事件が起こりました。
フランス統治時代の写真です。
劇場の周りの木が低く、建物全体を見渡すことができます。
ハイフォン市へ行く機会があれば、足を運んでみてください。
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バックリウ省 ノンラー型劇場 Theater Cao Van Lau |Nhà hát Cao Văn Lầu
最後に紹介するのは現代建築です。
ベトナムでよく見かけるノンラー(菅笠)を屋根にしたシアターが3つリズミカルに並んでいます。
ベトナム人建築家 Vương Hoàng Lê設計による、バックリウにある菅笠型の劇場です。
ノンラーというベトナムの要素をデザインに取り入れた印象的な建築なのでピックアップしました。
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筆者プロフィール:Koike Yusuke(デザイナー&マーケター)
木造建築士という建築知識をバックグラウンドに、ベトナム南部で家具のマーケティング・デザイン・商品開発をしています。ベトナム史が好きなので、ベトナム建築を古代から現代まで調べて、このブログで紹介しています。建築や家具、デザインはもちろん、ベトナム史やビジネスについて語り合える方募集しています。Twitterやインスタでお気軽にDMください。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)
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