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ハノイ市 ホアンキエム湖周辺で見ておきたい建築5選

ハノイコロニアル建築 大聖堂

ハノイ市内の観光の中心地となっているのが、ホアンキエム湖です。
ホアンキエム湖周辺は歩行者天国となっていて、地元民や観光客でいつも賑わっています。
湖と樹木とハノイの建築が調和して魅力的のところなので、ハノイ観光の際にはぜひ訪れてほしいエリアです。
今回は、ホアンキエム湖周辺の建築を紹介します。

ホアンキエム湖 亀の塔|Turtle Tower| Tháp Rùa

湖から大亀が現れて
「あなたが落としたのは、宝剣ですか?それとも錆びた剣ですか?」
と言ったとか言わないとか。(言ってません)
女神じゃないところがいいですね。

ベトナムが中国の明に支配されていた15世紀、後にレ朝の初代皇帝となるレ・ロイ)が、湖の宝剣によって明に大勝利しました。
平和な日々が続いていたある日のこと、レ・ロイが湖を散歩していると神の使いである大亀が現れました。

「さっさと宝剣を返しやがれ!」
と大亀が怒っていたとか怒っていないとか(たぶん怒っていません)

宝剣を持ち主の竜王に返すように言って、湖の底に持ち帰ったといいます。
この伝説から、湖は「ホアンキエム(Hoan Kiem=還剣)湖」と呼ばれるようになりました。その後、ホアンキエム湖に建てられた寺院が亀の塔 (Tháp Rùa)と呼ばれています。

1952~1953年頃に存在した渡し橋

残っている資料が少ないですが、実は1952~1953年にかけて、亀の塔へと渡る橋が存在したそうです。
しかし数ヶ月で撤去されてしまったとのことです。

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玉山祠|Temple of the Jade Mountain| Đền Ngọc Sơn

玉山祠|Temple of the Jade Mountain| Đền Ngọc Sơn

玉山祠|Temple of the Jade Mountain| Đền Ngọc Sơn

年代:13世紀

ホアンキエム湖に浮かぶ島に建てられた寺です。
創建は13世紀と言われていますが、現在の建物は1865年前のものです。
ハノイを訪れる観光客が多いのはもちろん、地元の人達も写真を取るために訪れていつも人で賑わっています。
赤い棲旭橋(せいきょくばし) を渡ると正殿(得月楼)があります。ここに祀られているはチャン・フン・ダオ(Trần Hưng Đạo/陳 興道)です。

モンゴルから起こり世界中を戦略した中国の元。
元が日本を侵略しようとした元寇は、3度に渡り当時のベトナム(大越)にも大群で攻めてきました。
その度に首都は元軍に占領されたものの、ゲリラ戦略で元を打ち破ったのがチャン・フン・ダオでした。

そして、その英雄が祀られる隣室には、体長2メートルもの巨大な大亀の剥製が置かれています。
1968年にホアンキエム湖で捕獲された亀で、伝説の亀と言われています。

子に寺にかかる赤い橋は棲旭橋(せいきょくばし)といい、
最初の橋は、1865年木造で建てられました。しかし何度か焼失の被害にあい2回再建されています。
現在の橋は1952年に建てられたものです。16列の杭と橋桁は鉄筋コンクリートになっています。

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オペラハウス(ハノイ市立劇場)

オペラハウスは、ハノイの見どころが集まるホアンキム湖の東南に位置します。
ハノイのコロニアル建築は、南方を意味する黄色系で塗られた建物が多いが、このオペラハウスもその一つです。ただし、ベトナムの場合ホーチミンのコロニアル建築は、黄色系の建物は少なく、ハノイの方が黄色系の建築が多いです。それは、ハノイがフランス領インドシナの中心都市であったことに意味があると思います。
フランス植民地支配には劇場と刑務所がつきものであり、劇場の代表格がこのオペラハウスであり、刑務所の代表格がホアロー収容所でした。

オペラハウスは1901年着工、10年の歳月を経て1911年に完成します。設計者は、公共建築監査官アルレイ。
ここは、革命時の蜂起の場として革命史跡でもあり、ベトナム現代史の上でも重要なランドマークです。

オペラハウスの歴史

オペラハウスは普段正面から入れませんが、横にハイランドコーヒーあり、ここは無料では入れます。
裏口に入り口があるのでわかりずらいですが、ぜひ裏まで回って入ってゆっくりコーヒーを飲みながらオペラハウスを眺めて見ましょう。
コンサートなども定期的に開催されていますので、ぜひチケットを入手して中まで入ってみると良いでしょう。

ハノイのオペラハウスは、ハノイのフランス建築でも最大規模でパリのガルニエにあるオペラハウスにそっくりの建築と言われています。
青いスレート葺きの屋根は、劇場建築に必要な機能のための構成で複雑な形に連なっていて、これもパリのものと同様です。
イタリア産の大理石をふんだんに使用したロビー、大階段に迎いいれられ、ホールへ入るとまばゆいばかりのフランス文化の殿堂が広がります。 ま
たオペラハウスは、八月革命時の蜂起の場として革命史蹟でもあります。
八月革命とは第二次大戦終結後の1945年8月、ベトナムを一時的に統治していた日本の降伏を機にインドシナ共産党がベトナムの独立を目指して起こした革命のことです。
8月19日にこの広場で蜂起を呼び掛ける大々的な集会が開かれ、9月2日の独立へとつながりました。
6本の通りが放射状に広がるオペラハウスの正面は、現在多くの若者がつどう憩いの場となっています。
ここを訪れるとアオザイを身に包んだベトナム女性が撮影している姿も見れるでしょう。 敷地内にはカフェもあり、パリのような雰囲気のなかコーヒーを飲みゆっくりとハノイの時間を過ごすこともできます。

動画で見るオペラハウス

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ハノイ大聖堂(聖ジョセフ大聖堂)|Nhà Thờ Lớn Hà Nội

ハノイ大聖堂は、ホアンキム湖の西に位置します。
周辺は、バックパッカー向けのゲストハウス立ち並んでいます。

この大聖堂の見どころはエイジングの美。
歳月を重ねて生まれた壁面のエイジングは、日本の侘び寂びに通じるような美しさがあります。
もちろん、このゴシックの双塔と中心の飾り窓、そして聖堂内の荘厳とした美しさ。たまりません。

だったのですが、2022年外壁の塗り替えが行われて、現在は以前のような古めかしさがなくなりました。

 

大聖堂の歴史

大聖堂の工事は1884年に始まりました。、当時司教、ピガニエール司教は炉で焼いたレンガやタイルの質を自ら調整したといいます。
1888年には工事が完了し、当時はこの双塔がハノイ市内遠くから望むことができたことでしょう。

もともと仏教寺院があった場所に、1884年から工事を始め、1888に完成させた大聖堂です。
ゴシックの双塔と中央のバラ窓が美しいこの教会は、建設当時は白く輝いていたそうですが、いまでは100年以上の年月がたち壁は黒ずんでいます。
個人的にはエイジングを感じるこの仕上がりは好きです。
正面のファサードは2019年に焼けてしまったパリのノートルダム大聖堂にそっくりです。
双塔に双塔のアーチにバラ窓がある様子は、パリのものを連想させます。違うところとは言えば、雨対策のためと思われる中央の切妻屋根です。

現在、ホアンキム湖周辺には背の高いビルも増えてしまいましたが、大聖堂建設当時はこの美しい双塔が遠くからでも望めたことでしょう。
すっかり観光地と化した大聖堂ですが、いまでもミサの時間になると、多くのカトリックがこの教会に集まってきます。

動画で観る ハノイ大聖堂

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ハノイ大聖堂 礼拝堂

礼拝堂

礼拝堂

ハノイ大聖堂敷地内にあり、大聖堂正面左側の門から入って奥に進んでいくとあるのがハノイ大聖堂礼拝堂です。
礼拝堂とはいうものの、見た目は寺院建築のようにも見えます。

ハノイ大聖堂の荘厳な建築とは対象的に、こじんまりした名建築があったんですね。
壁が黄色系なのは、やっぱり当時のコロニアル建築の影響を受けているようです。

礼拝堂の歴史

ハノイ大聖堂の敷地内には、1867年につくられた最古の教会建築の遺構があります。
1層部が洋式で、2層部に越式の木造建築を重ねたように建つ礼拝堂です。
洋式型角柱の上には、ベトナム木造柱がのっています。屋根架構もベトナム伝統的な架構です。
2階部分は柵があり、一見ベランダがあるような作りでしたが、建設当時は床がはられてませんでした。

仏越式ともいえるような、西洋と東洋、フランスとベトナムの折衷洋式の建物です。
外観からは横長の平面構成にみえるが、内部に入ると長手方向に向かって席が配置されています。南側は2階建ての礼拝席で、北側には祭壇があります。
外見は寺院建築のような横長の建物ですが、実際は礼拝堂なので奥行きを感じる平面構成です。
そういう意味でも仏越折衷した特殊な建物です。
日本では、和洋折衷建築が多く現存していますが、ベトナムにおいて仏越折衷スタイルは希少な建築です。
ハノイ大聖堂に圧倒されますが、その横にひっそりと佇むこの礼拝堂も是非訪れてみてください。

※大乗仏教の寺院建築は、横長スタイルが主流で、入り口から入って仏像までの距離が近い。そして本尊の横にはさまざま仏像が並んでいます。
教会建築は、奥行きのある平面構成が主流です。入り口から、マリア像・キリスト像の距離までが遠いのです。
この違いを意識してみると西洋と東洋の宗教観の違いが建築に現れていることがわかります。

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筆者プロフィール:Koike Yusuke(デザイナー&マーケター)
木造建築士という建築知識をバックグラウンドに、ベトナム南部で家具のマーケティング・デザイン・商品開発をしています。ベトナム史が好きなので、ベトナム建築を古代から現代まで調べて、このブログで紹介しています。建築や家具、デザインはもちろん、ベトナム史やビジネスについて語り合える方募集しています。Twitterやインスタでお気軽にDMください。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)
Twitter @yusukekoike21
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