フエ王宮 建忠宮殿と再建案
建忠宮殿は、午門を正面から入り一番奥に座していた洋風建築です。皇帝の居住地として利用されていました。
しかし、第二次大戦後1946年ベトミンよって破壊されてしまいます。(当時在留日本軍は、建物の保存を提案したそうです。)
紫禁城をモデルとされたフエ王宮内は、ほとんどがベトナム伝統的木軸工法で造られた木造建築です。
しかし、皇帝の居城とされた建忠宮殿だけは、フランスの技術による鉄筋コンクリート造の建築です。しかし、ディテールをよく見ると、ベトナム的な装飾も施されている折衷様式の建築です。
建忠宮殿は鉄筋コンクリート造ですから、木造建築と比べて強固で安全です。
当時の皇帝が暮らす居住地としては最適でした。
建忠宮殿は、カイディン帝(Khải Ðịnh=啓定帝)時代に建設されました。
1921年に建設開始、1923年に完成しました。
鉄筋コンクリート造でヨーロッパとベトナムの折衷様式である点は、カイディン帝廟と通じるものがあります。
3階建ての木造建築
実はこの場所、建忠宮殿が建てられる以前に3階建ての木造建築が立っていました。
Minh Viễn Lâu(明命帝の床)といわれ、フエ王宮内でも一番高い建物だったそうです。
1827年にミンマン帝(Minh Mạng=明命帝)によって建てられましたが、1876年劣化のため取り壊されました。
建忠宮殿の再建も良いですが、個人的にこの3階建ての木造建築の再建にチャレンジしてほしかった。(木造建築が好きなので)
建忠宮殿の再建
建忠宮殿の再建は2018年に始まりました。上の写真のように大部分は完成し、現在は装飾や仕上げに入っています。
近い将来、外部内部も装飾的でキラキラした宮殿が完成する予定です。
フエ王宮も長らく訪れていないので、完成した暁にはもう一度訪問できればと思います。
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