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ハノイに遺る黄色いコロニアル建築6選

礼拝堂

ベトナムの首都ハノイは、かつてフランス植民地時代には、フランス領インドシナの総督府がおかれていました。
そのため植民地時代にフランスが建てたコロニアル建築が残っており、現在ではハノイの観光地として、そしてランドマークとしてハノイの街を彩っています。
ハノイへ行った際は、コロニアル建築を巡ってみてはいかがでしょうか。

ハノイのコロニアル建築は、フランスで南方のイメージを与える黄色いコロニアル建築が建てられています。
今回は、黄色いコロニアル建築を紹介します。

オペラハウス(ハノイ市立劇場)

オペラハウスは、ハノイの見どころが集まるホアンキム湖の東南に位置します。
ハノイのコロニアル建築は、南方を意味する黄色系で塗られた建物が多いが、このオペラハウスもその一つです。ただし、ベトナムの場合ホーチミンのコロニアル建築は、黄色系の建物は少なく、ハノイの方が黄色系の建築が多いです。それは、ハノイがフランス領インドシナの中心都市であったことに意味があると思います。
フランス植民地支配には劇場と刑務所がつきものであり、劇場の代表格がこのオペラハウスであり、刑務所の代表格がホアロー収容所でした。

オペラハウスは1901年着工、10年の歳月を経て1911年に完成します。設計者は、公共建築監査官アルレイ。
ここは、革命時の蜂起の場として革命史跡でもあり、ベトナム現代史の上でも重要なランドマークです。

オペラハウスの歴史

オペラハウスは普段正面から入れませんが、横にハイランドコーヒーあり、ここは無料では入れます。
裏口に入り口があるのでわかりずらいですが、ぜひ裏まで回って入ってゆっくりコーヒーを飲みながらオペラハウスを眺めて見ましょう。
コンサートなども定期的に開催されていますので、ぜひチケットを入手して中まで入ってみると良いでしょう。

ハノイのオペラハウスは、ハノイのフランス建築でも最大規模でパリのガルニエにあるオペラハウスにそっくりの建築と言われています。
青いスレート葺きの屋根は、劇場建築に必要な機能のための構成で複雑な形に連なっていて、これもパリのものと同様です。
イタリア産の大理石をふんだんに使用したロビー、大階段に迎いいれられ、ホールへ入るとまばゆいばかりのフランス文化の殿堂が広がります。 ま
たオペラハウスは、八月革命時の蜂起の場として革命史蹟でもあります。
八月革命とは第二次大戦終結後の1945年8月、ベトナムを一時的に統治していた日本の降伏を機にインドシナ共産党がベトナムの独立を目指して起こした革命のことです。
8月19日にこの広場で蜂起を呼び掛ける大々的な集会が開かれ、9月2日の独立へとつながりました。
6本の通りが放射状に広がるオペラハウスの正面は、現在多くの若者がつどう憩いの場となっています。
ここを訪れるとアオザイを身に包んだベトナム女性が撮影している姿も見れるでしょう。 敷地内にはカフェもあり、パリのような雰囲気のなかコーヒーを飲みゆっくりとハノイの時間を過ごすこともできます。

動画で見るオペラハウス

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ハノイ大聖堂 礼拝堂

礼拝堂

礼拝堂

ハノイ大聖堂敷地内にあり、大聖堂正面左側の門から入って奥に進んでいくとあるのがハノイ大聖堂礼拝堂です。
礼拝堂とはいうものの、見た目は寺院建築のようにも見えます。

ハノイ大聖堂の荘厳な建築とは対象的に、こじんまりした名建築があったんですね。
壁が黄色系なのは、やっぱり当時のコロニアル建築の影響を受けているようです。

礼拝堂の歴史

ハノイ大聖堂の敷地内には、1867年につくられた最古の教会建築の遺構があります。
1層部が洋式で、2層部に越式の木造建築を重ねたように建つ礼拝堂です。
洋式型角柱の上には、ベトナム木造柱がのっています。屋根架構もベトナム伝統的な架構です。
2階部分は柵があり、一見ベランダがあるような作りでしたが、建設当時は床がはられてませんでした。

仏越式ともいえるような、西洋と東洋、フランスとベトナムの折衷洋式の建物です。
外観からは横長の平面構成にみえるが、内部に入ると長手方向に向かって席が配置されています。南側は2階建ての礼拝席で、北側には祭壇があります。
外見は寺院建築のような横長の建物ですが、実際は礼拝堂なので奥行きを感じる平面構成です。
そういう意味でも仏越折衷した特殊な建物です。
日本では、和洋折衷建築が多く現存していますが、ベトナムにおいて仏越折衷スタイルは希少な建築です。
ハノイ大聖堂に圧倒されますが、その横にひっそりと佇むこの礼拝堂も是非訪れてみてください。

※大乗仏教の寺院建築は、横長スタイルが主流で、入り口から入って仏像までの距離が近い。そして本尊の横にはさまざま仏像が並んでいます。
教会建築は、奥行きのある平面構成が主流です。入り口から、マリア像・キリスト像の距離までが遠いのです。
この違いを意識してみると西洋と東洋の宗教観の違いが建築に現れていることがわかります。

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北門教会|Nhà thờ Cửa Bắc

ハノイ城塞跡北門の向かいに立つ黄色い教会です。
フランス人建築家エルネスト・エブラールによる設計、1927年から1931年にかけて建設されました。
窓庇・八角窓などベトナム独特の意匠が反映された教会で、インドシナ様式とされています。

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ベトナム大統領府 |Văn phòng Chủ tịch nước

仏領インドシナ時代に建てられて、当時は総督の邸宅と使用されていました。
中に入ることはできませんが、後述する旧大統領府と旧ホーチミン邸宅の見学(有料)へ参加すると敷地内を通ることはできます。

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ベトナム旧大統領府 |Văn phòng cựu Chủ tịch nước

 

故ホーチミン国家主席も執務を行ったベトナムの旧大統領府です。

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パスツール研究所ハノイ|Viện Pasteur Hà Nội |National Institute Of Hygiene And Epidemiology

パスツール研究所ハノイは、1926年にフランス人建築家ロジャーガストン(Roger Gaston)によって設計され、1927年から1928年にかけて建設されました。生物学、微生物学、疫学、ワクチンの研究を専門とするフランスの民間非営利団体です。炭疽菌や狂犬病ウイルスの消毒やワクチンなど、当時の現代医学で最大の進歩を遂げたルイ・パスツール(Louis Pasteur)にちなんで名付けられました。

研究用本館のほか、衛兵所、ワクチン接種所、大型牛舎、小型牛舎などが建てられました。
3階建ての本館は、フランス植民地時代に暑さ対策取り入れて建てられた頃にある建築です。南北方向に配置され、南側に廊下を配置して直射日光を避けて、冷風を取り入れる設計がされています。

ちなみに、日本語ではPasteurを「パスツール」と呼びますが、ベトナム語ではローマ字読みするため「パスター」と言った方が通じます。

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筆者プロフィール:Koike Yusuke(デザイナー&マーケター)
木造建築士という建築知識をバックグラウンドに、ベトナム南部で家具のマーケティング・デザイン・商品開発をしています。ベトナム史が好きなので、ベトナム建築を古代から現代まで調べて、このブログで紹介しています。建築や家具、デザインはもちろん、ベトナム史やビジネスについて語り合える方募集しています。Twitterやインスタでお気軽にDMください。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)
Twitter @yusukekoike21
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メール:amplestyle108★gmail.com(★を@に変換)

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