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日本の米とベトナムの米

日本人の主食は「米」と言われていますが、日本人の食生活も年々変化しています。
他国と比較して見ると、日本人が食べる米の量は多いとは言えません。
東南アジアの地域が上位を締めています。
下記の図を見ればわかりますが、ベトナム人が1日で食べる米の量が日本人よりも多い、のは確かなようです。

2011年統計 米の一日の消費量

2011年統計 米の一日の消費量

このランキングでは、1位がバングラデシュで、ベトナムが4位です。
あくまでも一人あたりの消費量です。

国ごとの米の生産量・消費量・輸出量はこんな感じ

米の生産量:1位中国 2位インド 3位インドネシア 4位バングラデシュ 5位ベトナム
米の消費量:1位中国 2位インド 3位インドネシア 4位バングラデシュ 5位ベトナム
米の輸出量:1位インド 2位タイ 3位ベトナム
↓米の輸出量の次点はパキスタンとアメリカっぽいが資料がわかりずらい・・・
世界の米需給の現状(主要生産国、輸出国等)

中国は生産量が多いですが、消費量も多く、米に関しては自給自足の状況です。
20年くらい前に日本で米不足があったのですが、そのときタイ米を輸入したのを覚えている方ってどれ程いるでしょうか?

ちなみお米が主食の日本ですが、どのランキングでも圏外です。
意外な結果にみえますね。

しかし、よく考えてみれば、日本ではそばやうどんなどの麺類、パン・パスタなど欧米の食事なども食生活に根付いています。
というか、日本ほど食事が多様化している国は少ないと思います。
僕はドイツにも住んでいたことがありますが、
「ドイツ人がパンとソーセージとじゃがいもばかり食っている」
というのはあながち嘘では無いと思いました。食事に多様性がない。

日本であれば、麺類であればそば粉や小麦粉で作られた物が多いですが、ベトナムであれば、フォーやブンボーフエなどの米から作られた麺料理も主食となっています。
また、日本語では生春巻きと言われるライスペーパーでエビ・野菜・ブン(米の麺)で巻いたものもよく食べられています。
一方で、フランス植民地時代の影響で伝わったパン(バンミー)も手軽な朝食として食されていますね。また、最近ではインスタントラーメンで朝食を済ます人もいます。
ベトナムでもバンミー(パン)を朝食として食べる人も多いですね。ファーストフードとしてバンミーは、早い安い(うまい)ですね。

ベトナムにおける 日本のお米 ジャポニカ米

量り売りのお米

イオンベトナムのお米コーナー

イオンベトナムのお米コーナー

米の量り売りがあります。
キロあたり15,900vnd~24,900vnd (2018年9月時の価格/レート)

10kg袋で比較

こちらは10kgあたりの単価。

こちらは10kgあたりの単価。

一番安いお米は、ADCというベトナムのメーカーの米 189,900vnd(≒911円)/10kg(91円/kg)(2018年9月時の価格/レート)
一番高いお米は、ベトナム産日本米 256,900vnd(≒1233円)/10kg(123円/kg)(2018年9月時の価格/レート)

ベトナム産日本米

ベトナム産日本米

ベトナム産日本米

ベトナム産日本米と日本産日本米の比較

日本産の日本米

日本産の日本米

日本産の日本米も売っていました。
パット見でもベトナム産は日本産の3分の1の価格であることがわかります。

ベトナム産富士桜 76,900vnd(369円)/2kg (189円/kg)(2018年9月時の価格/レート)
日本産こしひかり 269,000vnd(1291円)/2kg (646円/kg)(2018年9月時の価格/レート)

日本米はいわゆるジャポニカ米です。
ベトナムにある多くの日本料理店では、ベトナム産のジャポニカ米が使用されています。

学名:オリザ・サティバ・サブスペシース・ジャポニカ

ジャポニカ米は、日本型と言われていて、その名の通り、日本でよく食べられているお米です。日本で栽培されている米のほとんどはこのジャポニカ種です。世界で生産されているお米の約2割弱がこのジャポニカ種で、日本や朝鮮半島、中国北部を中心に栽培されています。
気候は、温暖で、雨が適度に降る地域が適しています。
形は丸みを帯びた楕円形をしています。
食べ方としては炊いたり蒸したりして食べるのが一般的で、熱を加えると粘り気が出ます。

引用:http://www.iy-place.net/

ベトナムへ日本の米を輸出されたい方はこちらを参照ください。

ベトナムのお米 インディカ米

学名:オリザ・サティバ・サブスペシース・インディカ

インディカ米は、インド型と言われていて、インドからタイ、ベトナム、中国にかけてと、アメリカ大陸で生産されています。
気候は、高温多湿な地域が適しています。
世界のお米の約8割がこのインディカ米です。インディカ米の特徴は、ジャポニカ米と比べてかなり長細い形をしています。
ジャポニカ米に比べると、粘り気が少なく、パサパサした感じがします。食べ方は煮て食べるのが一般的です。

引用:http://www.iy-place.net/

「煮て食べる?」
には疑問が残りますが、粘り気が少なく、パサパサした感じはそのとおりです。
日本人には少し食べづらいかも、ベトナム人でもそうですが、スープをかけて柔らかくして食べる人を見かけます。
そういう意味では、「煮て食べる」に近いことは確かです。
でも、おこわにしたりおこげにしたり、ベトナムの米の食べ方も様々ですね。

ベトナムは、メコンデルタという天然の肥料に恵まれた農地があります。
メコン川が上流から常に栄養を運んでくれるので、ベトナム南部のメコンデルタでは土地が痩せることもない、一大農業地帯となっています。
いまでは、ベトナムの米の輸出量は世界で第三位です。

これからのベトナム米の課題は、付加価値を付けて単価アップです。
「ベトナムは、2030年までにコメの輸出量を年間400万トン、輸出額で同25億ドル(約2764億円)を目標とする。今後、輸出量の増加ではなくコメの高付加価値化に重点を置いて新たな市場を開拓し、コメ輸出の構造転換を図る。」
そうです。
最近では、タイやカンボジアなど近隣諸国との競争が激化しており、安く大量生産するよりも、高付加価値・高品質の米の生産を目指しているそうです。

ベトナムでビジネスしている人ならすぐわかりますが、これは米だけの課題ではないですね。
人件費が上がりつつあるベトナムでは、高品質・高価値の商品を生産性良く作ること、これはどの分野でも課題になっています。

About

筆者プロフィール:Koike Yusuke(デザイナー&マーケター)
木造建築士という建築知識をバックグラウンドに、ベトナム南部で家具のマーケティング・デザイン・商品開発をしています。ベトナム史が好きなので、ベトナム建築を古代から現代まで調べてます。建築や家具、デザイン、マーケティングはもちろん、ベトナム史やビジネスについて当ブログにまとめています。また、これらのテーマについて前向きに語り合える方募集しています。Twitterやインスタでお気軽にDMください。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)
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メール:amplestyle108★gmail.com(★を@に変換)

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