未来予測の答え合わせ コロナ禍が家具市場にあたえた影響

東アジアでは新型コロナウィルスが収束に向かいはじめた。
僕が住むベトナムでは2ヶ月以上市中感染が出ていない。
これからはどのように外国からの入国を緩和していくか、が焦点になってきた。既に、日本からの入国の緩和が始まっているが、14日間の隔離がセットになっているから、観光客はいまだベトナム入ることは出来ない。
一方でベトナム国内の経済は活気を取り戻し、観光業や航空会社、インバウンドに関わる事業を除くとほぼビフォーコロナに戻っているように見える。

日本に目を向けても、経済は徐々に回復し家具業界はコロナ禍によるリバウンド需要が起こっているようだ。コロナ特需や給付金需要という言い方をする方もいるが、皮肉なことにステイホームによって家具インテリア業界にとっては、良い需要が生まれた。

しかし、リバウンド需要があったとしても、都心部やモールを中心に出店していたインテリアショップ等は、緊急事態宣言により長期間の閉店で受けた損害は深刻だ。給付金・リバウンド需要でその分を埋められるとは限らない、また日本はベトナムと違い新型コロナをコントロール出来ているわけではないから、感染者が身近にいる可能性がある。それでも、最近の日本のテレビを見ていると、かなり楽観的傾向で経済活性化に向けて動き出したように思える。

新型コロナについて、僕はかなり早い段階から注目してきた。
理由は2つあって、
☑一つは仕事上の理由から中国の動向と新型コロナの感染状況を情報収集する必要があった。
☑僕が住むベトナムでは2月上旬の段階から新型コロナ対策に力を入れていた

2月上旬といえば、日本は中国武漢での新型コロナの蔓延を「対岸の火事」と見ていた時期だ。DP号が話題になっていたが、検疫はゆるゆるその時期は外国からの入国についてほとんど規制されていなかった。
しかし、ベトナムはその時期から中国からの渡航を禁止している。

僕は仕事上の理由から、新型コロナの情報を収集し、ちょっと先の未来を予測してツィートしていた。
先を考えすぎて、気分が暗くなったこともあったが、自分の予測と結果について、まずは答え合わせをしてみたい。
その前に、ちょっと先の未来を予測することの重要性を考えてみたい。

ちなみに、この記事は
「オレの予想あたってるだろー!!」
とドやるのが目的ではない。
後述するが、ある程度予測できた未来に対して、行動に起こせなかったことを悔いる記事である。
最後にベトナムのコロナ対策についてまとめあり。

未来を予測して行動する。

どんな人でも少し先の未来を想像しながら行動している。
電車に乗るのも、車を運転するのも、ちょっと先の未来を予測しながらの行動になりうる。
数時間後に目標の場所へ到着するために、何時に出発して、どの電車に乗り、どの駅で乗り換えるか。
かつてインターネットのない時代、知らない駅へ降りたときは、何時に次の電車が来るかわからず、時刻表を探したものだ。しかし、いまはネットで調べれば、乗り換え駅の待ち時間がわかる。
車に乗ってもスマホでナビをしてくれる。到着地点への予測到達時間がわかるから、そこから逆算して出発すればいい。
とにかく、どこかへ出かけるときも、ネットでちょっと先の未来を予測できるから、行きあたりばったりで行動する人が減った。

どこまで先の未来を予測できるか

電車もバスも、飛行機もトラブルがなければ、時間通りに出発してくれる。
しかしビジネスには、レールも時刻表もない。
それでも、過去の実績を分析しながら、先を予測してビジネスを行っているはずだ。
コンビニなら、お昼前にお弁当がない、なんてありえない。小売全体で見れば、年末年始は一般的に需要が高まる。家具業界なら新生活の始まる前の3月が一番需要が高まる時期だ。
ネットならは、楽天のスーパーセールに標準を合わせて商品仕込む。
年間、半期、1ヶ月の単位で売上げ計画を立ててビジネスをしている。

しかし、2020年は新型コロナウィルスの蔓延によって、すべての予定が狂ってしまった。
観光業界や飲食業界、エンタメ業界など深刻な経済的なダメージを受けた業界もあるが、家具業界はむしろ意外な方向に転んだ。緊急事態宣言によりステイホームの期間が長くなったことにより、家具の需要が高まった。自粛圧力があるため、ネットでの家具の買い物が増えた。
実店舗を持ちながらも、ネットショップを持つ家具店は増えつつあった。しかし、ネットショップと実店舗の運営は違ったノウハウになる。だから、形ばかりのネットショップになり、あまり力を入れていなかった家具店は多い。遅きを逸し、涙を飲んだ家具店もあるだろう。

10年前からネットショップの台頭は始まっていたから、他人事と思わずに、ネットショップに参入するチャンスはあったはずだ。どこかで、大きく舵を切るタイミングが必要だった。
過去の実績で未来は予測できるものの、今回のコロナ禍のような不測の事態が起きた時、どのように未来を予測して、どのように舵を切るか。
命運を分けるのだと思う。

予測した未来に向け行動に移せるか

おそらく、予測した未来に向けて、思い切った行動に移せる人は少ない。
僕もその一人だった。

5月頃、僕は緊急事態宣言解除の後、リバウンド需要があることを予測していた。
しかし、その頃周りは保守的な人たちばかりだった。
ベトナムの家具業界といえば、欧米向けの家具を作っている工場は仕事がなく、休業せざる得ない状況だった。日本は、緩めの「自粛」という名の規制だったため、受注が減ったとはいえ半減にもならなかった。
この時期の最善解としては、今のリバウンド需要に向けて商品を仕込むべきだった。けど、周りの状況に合わせて、残業を減らすという保守的な対策をとった。
保守的な安全策も間違えではないと思うが、競合他社から一歩抜けるためには、積極策を取るのが正解だった。悔しさが残る。

予測できても、行動に移せなければ意味がない。行動に移すには、自分への信頼と失敗した時のリスクを引き受ける覚悟が必要になる。だから、多くの人は安全策をとる。
予測はしていても様子を見る。

様子を見ているうちに時は流れる。商品が足りなくなる。
だから、今になって焦って発注をしてくる。

コロナ禍の影響による家具市場の予測 答え合わせ

中国工場の稼働再開について

2月上旬に中国工場の再開時期が3月までずれ込むことを予測。
武漢を早々に封鎖した中国を見てて、ただ事じゃないと思ったし、そのやり方をベトナムはうまく踏襲し新型コロナ対策で成功を収めた。
しかし、今見返すと工場停止が1ヶ月程度で済んだ中国は、欧米よりも経済的ダメージは少ない。

予測と結果の一致度:◯

ネット市場需要増と都心部への影響について

これは2月18日のツィート。
もう少し早くその流れが来ると思ったが、結果としては4月に緊急事態宣言が出されたあとにそうなった。
都心部の店舗営業できず、ネットショップに購入が集中した、ネットショップに力を入れていた小売店が勝ち組となる。

予測と結果の一致度:◯

都心部・モール店は休業、ネットは売上増。

自粛による購買低下と生産後ろ倒し

2月24日のツィート。
本当にこのとき思ったのが、中国に対して「対岸の火事」としかみていないこと。
この時点では、「中国からの入荷が遅れてて売上に影響がある。」という回答があるものの、2月には3月末からの自粛を予測している人は少なかった。
家具業界はコロナ禍の影響が出始めるのが遅く、緊急事態宣言により休業せざる得ない店舗は影響を受けたものの、郊外店舗には客が殺到したという。
それに対して批判が起きて、結局自粛傾向が強まった。だけど、ステイホームは家具の重要性を再認識させてくれた期間でもあり、いまのリバウンド需要につながっている。
ただ、駅前やモールに店舗を多く持つ事業者は、自粛・休業で多大な損害をうけた。

予測と結果の一致度:○

見込みより売上減、ある取引先は長期出荷後ろ倒し依頼あり。

新型コロナウィルスとの戦争

2月27日のツィート

3月にトランプ大統領が、
「これは(ウィルスとの)戦争だ」
と発言している。

予測と結果の一致度:◯

世界中で新型コロナウィルスとの戦争がおきた。

衝立の需要について

緊急事態宣言後に、テレビをはじめ飲食店などで衝立の需要が増えた。
マスクにしても、衝立にしても1ヶ月前から仕込んでおけば、需要が高まったときに販売機会を得ることができる。

予測と結果の一致度:◯

テレビを観ればアクリル板の衝立

屋外ベンチの時代が終わり、スツールの時代がくる!

ベトナムでは、ソーシャルディスタンスは必要なくなり、ビフォーコロナに戻った。
いまでは、この張り紙は剥がされて、身を寄せ合ってベンチに座っている。

日本では、どうだろうか?

予測と結果の一致度:△

会議室の長テーブルは不要になり、小さいテーブル付きチェアが会議室に置かれるようになる

社会隔離の期間はベトナムでは、会議の人数制限があったが、いまではなんの制限もない。
日本ではどうだろうか。
ソーシャルディスタンスの必要性があるなら、テーブル付きチェアが有効だと思う。

予測と結果の一致度:△

緊急事態宣言後は、リバウンド需要がある

一足早く社会隔離が解除された後のベトナムは、経済的な復興が早かった。
それをみて、日本もそうなることを期待していた。
ただ、日本は回復が比較的ゆっくりであり、6月に入ってから少しずつ戻して来た。
何度も書いているが、家具業界についてはリバウンド需要が好調で、特にテレワーク関連商品は昨対の倍になっている様子。

予測と結果の一致度:◯

今回は、増税時の先食いとは異なり後食いになるので、少しずつ昨対程度に戻っていくだろう

家具市場の予測 答え合わせのまとめ

情報収集をしながら、情報を取捨選択し、少し先の未来を予測していく。
仕事においても重要性の高いワークだと思う。
ただ、先のことを予測しても、行動に起こさなければあまり意味はない。
ちゃんと情報収集をしていれば、マスクが市場からなくなることは予測できただろう。
だけど、予測出来た段階で行動に移せる人は少ない。
ほとんどの人は、「事象が起こってから行動に移す」

☑マスクが必要になり購入する
☑デスクが大量に売れてから発注を入れる
☑緊急事態宣言になってからテレワークをはじめる
☑ネットでの家具販売需要が伸びてから、ネットショップを始める。

予測できても行動が伴わなければ意味がない。
だけど、行動に起こすには、自信と覚悟が必要。

ベトナムのコロナ対策

2020年4月1日から、ベトナムは15日間の社会的隔離となった。
飲食店やサービス業は閉店し、事務所ビルへの出勤は社会的距離2メートルを保ち、さらに事務所内に人数制限がかけられている。
工場は、マスク着用や消毒などの対策をした上で、稼働を許可されている。
だけど、一人でも感染者がその場所に訪れれば、14日間の閉鎖となってしまう。

中国の武漢からはじまった新型コロナのウィルスの感染拡大。
それに対するベトナムの対処は早かった。正直言って、最初はやりすぎのように感じた。
ベトナムは2月5日には、中国からの渡航を禁止とした。それと同時に、全国で一斉休校。
旧正月休みを含めるとうちの息子は、3ヶ月以上学校へ行けていない。
その効果もあって新型コロナの制圧も早かった。
2月13日までに16人の感染者が見つかったが、2月末までに全員完治し、3週間新規感染者が現れることがなかった。

しかし、3月に入り韓国や欧州で新型コロナ感染拡大に伴い、ベトナムにも感染者が入ってくるようになった。それからの対応も「適切だった」と言っていいのではないだろうか。
まず、韓国の大邸とシェンゲン協定加盟国からの入国を拒否。さらに他の感染国からの入国者は自宅で2週間隔離→最終的には強制隔離とした。
そして、現在は度の国からの入国もできなくなっている。
3月に入ってからは、新規のビザ申請もできなくなった。観光ビザなどで滞在している日本人は、この時期に帰国した人も多い。
現在ベトナムに残っている日本人は、労働許可書を持っている日本人だけのはず。
また、感染者が出た際の対策も徹底していて、感染者がでたらまずはその周辺を2週間隔離とする。濃厚接触者やさらにその濃厚接触者との接触者までが隔離対象となることがある。疑わしい人は徹底的に調べられる。
また、発熱や咳など新型コロナ感染症状と思われる症状が出た場合は、速やかに病院へ行くように通達されている。
検査したくても検査してもらい日本とは真逆の状況。

ベトナムがここまで水際対策を徹底した理由の一つは、もともとベトナムの医療機関が脆弱なため。
実際に、感染者を受け入れていたハノイのバックニン病院がクラスターとなってしまった。

もう一つ、ベトナムが新型コロナ征圧が順調に行ったのは、軍と警察が一体化している政治体制によることもある。
やはりベトナムは、東南アジアにおこるミニ中国国家。一党独裁の強権を持つ国家だから、決めたことに対して動きが早い。
今回は、中国が武漢においてすでに新型コロナとの戦いを終えてたから、コロナ征圧方法も中国のやり方を真似するだけで良かった。
ベトナムは共産国家だからできる全体主義的な発想で国が動かせるが、日本で同じようなことはできない。
対コロナにおいては、政府の強権ほど強いものはない。
日本では、外出禁止や閉鎖命令を出すと「営業補償しろ」という話が出るが、ベトナムの国民からそういう話は聞いたことがない。ただ実際には、日系企業も含めてベトナムの飲食店はかなり厳しい状況である。

具体的には、この記事がよくまとまっている。

コロナ関連の予測ツィート もろもろ答え合わせ

コロナ禍の東京五輪への影響について

2月の上旬時点で、中国からモノが入ってこなくなっていたので、東京五輪に影響があるとは考えていた。
しかし、この時点ではまさか中止にまで発展するとは予測できていなかった。
3月に入ると各国で少しずつ感染拡大がはじまり、普通に考えたら中止か延期は現実線が帯びてきた。けど、五輪関連で仕事の話をもってきてくれた方は、中止が正式発表されるまでは開催されるつもりでいたよう。

予測と結果の一致度:△

新型コロナが五輪に影響を与えることは予測出来たが2月時点で延期は予測出来なかった。

日本における新型コロナ感染者が魔女狩りに合う

これは2月5日のツィート。
日本社会の特性を考えれば比較的予測しやすい現象で実際にそのような状況になった。
「新型コロナ 魔女狩り」で検索すると4月以降に関連記事がヒットする。

予測と結果の一致度:○

魔女狩りのような状況がおきた

ベトナムが日本からの入国拒否

ベトナムは、2月上旬に中国からの入国拒否、続きて韓国やイラン、そして欧州が対象地域になり3月21日には日本も含めてどの国からも入国できないようにした。日本のゆるゆるの水際対策に対して、ベトナムの対応は早く徹底していた。

予測と結果の一致度:◯

3月21日よりベトナムは外国からの入国拒否。

日本の新型コロナ感染者増加について

日本は感染者数は中国の二の舞はならなかった。
しかし、緊急事態宣言によってかなりの経済的ダメージをうけた。
ちなみに、2月20日に日本からベトナムに戻って、10日ほど自主隔離して工場には出勤しなかった。

予測と結果の一致度:△

ベトナムの学校再開について

4月2日の予測。
新規感染者を抑え込んだベトナムは、5月に入り見事に学校再開できた。

予測と結果の一致度:◯

この記事は、自分のツィートに対するフィードバックであった。
未来予測としてツィートをするなら、もう少し強めの言葉ではっきりと書くべき。あいまいな表現はいかんね。

筆者プロフィール:Koike Yusuke ベトナム建築探偵
構造美主義者の椅子設計士。ベトナムにある家具メーカーで働き、安くて良い椅子を作って日本の家庭へお届けする仕事をしています。2020年よりベトナム建築探偵はじめました。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)
(Twitterはお気軽にフォローください!@yusukekoike21

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