独学という習慣を身につける方法

さすらいのお勉強野郎「GOLDEN BOY」をご存知だろうか。
主人公の大江錦太郎は、25歳。一見すると、お人好しのドジな青年に見えるが、かつて東京大学(法学部)に合格し、全ての課程を修了したため自主退学したほどの頭脳の持ち主。
その後は真の「お勉強」をする為に自転車で日本中を旅し、その先々で知り合った人達と触れ合い、時に騙され、罵倒されながらも彼らを軽蔑することなく、救済の手を差し伸べていく。そして学んだことを「お勉強ノート」に事細かに記していく。とにかく「勉強、勉強」が口癖の主人公。表の顔はドジでお人好しな青年だけど、彼の行動全ては計算されつくされている。
漫画らしいキャラだけど、彼の全てのことに対して「勉強、勉強」という姿勢は学ぶべきだと思う。

「GOLDEN BOY」を読んだのは、たしか中学生くらいの頃だった。小学生の頃読んだちょっとエッチな漫画、江川達也び著書「マジカルたるルートくん」のファンだったし、「GOLDEN BOY」はすぐにハマった。
けど、本質的に江川達也が言いたかったことを理解できていなかったように思う。大学3年生くらいになってからは、最低限の勉強しかしなかったし、社会人になってからは勉強とは程遠い生活をしていた。
いや、むしろ社会人になって
「これで勉強から解放される!!」
くらいに思っていた。
「いやいや、さっさと2級建築士の勉強しろよ。」
当時の自分に言ってやりたい。

実のところ、僕は勉強が嫌い。特に座学のお勉強。大学卒業後、20代のうちはほとんど勉強をしていなかった。
長時間労働に追われていた、という理由があったけど、
そもそも
「勉強しなくても食っていける」
という甘い考えを持っていた。

確かに、勉強をしなくても食べていける生活はしていた。
しかし、20代の頃、もらった給料は全て使ってしまい、ほとんど貯金をすることが出来なかった。
人生を舐めていたし、そのうち仕事でも失敗した。
仕事に対しても、人生に対しても視野が狭かった。自分の目の届く範囲しか見えていなかった。
未来に対する想像や、将来に対する創造性を持ち合わせてもいなかった。

会社には「雰囲気」というものがある。会社のCOLORという言い方もある。
僕が入った会社は、チンピラ上がりの在日韓国人が社長の零細企業だった。体育会系というよりは、チンピラ系。大卒は僕だけだった。よくもまぁ、こんな会社に6年間もいたものだ。学歴のない会社だから、建築士の資格とか求められなかった。
入社当初は彼らに対して抵抗感があったものの、1年もすれば会社のCOLORに染まってしまった。
当時の会社で求められたものは何か。

求められたのは度胸と根性

いかに舐められないように、去勢をはるか。
そんな日々だった。

惨めな思いをすることも多かったが、僕を支えたのは、ある著者の時代小説だった。
それは、司馬遼太郎の著書。
「燃えよ剣」「世に棲む日日」「国盗り物語」「韃靼疾風録」「最後の将軍」「播磨灘物語」「項羽と劉邦」「宮本武蔵」...
司馬遼太郎が描く英雄たちには胆力があり、度胸があり、そして根性があった。
そんな英雄たちに憧れた。
特に「世に棲む日日」の高杉晋作になりたかった。何度も読んだ。

だけど、20代の僕は英雄になれなかった。
むしろ、長時間労働と辛い環境に、ただただ消耗していった。
20代後半になると仕事に対するやる気はほぼなくなり、なんとなく仕事をこなす日々。
これ以上この会社で働いていても、得るものはなにもない。
わかっていたけど、その現状を打破するために自分を磨くとか、勉強をするとか、そんなことは全く考えもしなかった。

独学のすすめ

アラフォーの僕は決して長いとは言えない人生だが、振り返ってみると、「勉強」に取り組むことで、閉塞感のある人生を打破する力がついていたことに気づく。
男なら、GOLDEN BOY「さすらいのお勉強野郎」を目指すべきだ。
勉強とは、学校に通うことではない。自主的に必要な知識を身につけるために学習すること。いわゆる独学できるようになることが勉強の第一歩だ。「広く浅く」勉強するのでなく、「知るべきことに絞って」勉強することが必要になる。独学なら、知っていることは飛ばせる。必要なことをいくらでも深く勉強できる。

社会人向け学校はビジネス

学校に通わずとも勉強はできる。だけど、社会人向けにたくさんのが学校が存在する。学校に通うことで、勉強をしやすい環境を整えることができる。とはいえ、それなりに学費がかかる。その費用対効果は実際どうなのだろうか。
学校へ通うのは、収入を上げるため、スキルをつけるための投資。
しかし、一時的に大金を使って自分に投資するよりは、独学の習慣を身につけ、生涯に渡って自己研鑽を続ける習慣を作ったほうがいい。

社会人のための学校がたくさん設けられている。英会話学校、資格取得のための学校、通信教育、パソコン教室、各種の塾、社会人養成講座、等々。こうした学校に通って学ぼうという人が多い。私は、これらをいちがいに否定はしない。ただし、まず最初に注意すべきことは、これらがビジネスとして行われているという事実である。
高い受講料を払い、貴重な時間を使って受けるだけの効果があるのだろうか?
コストを払ってもそれ相応のリターンが得られるとは限らない。逆に、「独学はタダだから質が悪い」とは言えないのだ。

~中略~

同じことは、独学でもできる。そうすれば、自分の必要に合った勉強ができるから、効率的だ。

引用:超独学法

僕は、29歳から海外に移住し、今年(2019年)で海外へ出てからちょうど10年となった。
海外にいる環境ではあるが、2015年から独学をはじめて、こつこつ資格を取得している。

2015年 35歳「カラーコーディネーター1級(商品色彩)」「カラーコーディネーター2級」同時合格
2016年 36歳「木造建築士」学科合格
2017年 37歳「木造建築士」製図合格
2018年 38歳「木造建築士」免許取得
2019年 39歳「マーケティング検定3級」合格

参考書を日本で購入し、独学の上、全ての試験に一発合格した。
すべての資格が当てはまるとはいえないが、「学校に通わずとも独学で結果が出せる」というのが、おわかりいただけると思う。

独学の敵は怠け

ただ、独学の難しいところは、モチベーションを保つことにある。独学の最大の敵は、いわゆる三日坊主。一人で勉強していると、つい怠けたくなる。

「継続は力なり」そのとおりだ。ゲーテは次のように言っている・

「訓練、訓練、訓練。訓練が巨匠をつくる。巨匠は天から降ってくるものではない。」

では、どうすれば勉強を継続できるのか?

これは、勉強をする場合の最も重要な技術の一つだ。継続できるための方法論は、勉強の非常に重要なノウハウである。ところが、そのことを学校では教えてくれない。不思議なことである。

継続のために必要な4つのこと

  1. はっきりした目的を持つ
  2. 強いインセンティブを持つ
  3. 勉強の楽しさを活用する
  4. 時間を確保する。

引用:超独学法

一人で勉強することに対して、高いモチベーションを持ち続けるために必要なのは、①はっきりした目的。で、その目的が達成されたら、どのような②インセンティブ(報酬・対価)が得られるか想像してほしい。
たとえば、僕が最初に取り組んだカラーコーディネーターの試験。僕の仕事が商品開発であるから、その商品開発の裏付けになる知識が欲しかった。また、当時は自分に自信が持てておらず、なにかしらの名誉が欲しかった。カラーコーディネーターなら「1級」という名誉が比較的容易く手に入るように思えた。また、変わりたいという思いも強かった。
振り返ってみれば、「変わりたい!」という気持ちが、②の強いインセンティブだったと思う。

資格を取得することで、自分が他の何者かになれる、もしかしたらいまよりいい職場に出会えるかも、収入が上がるかも、そういった期待があった。
色彩の勉強ははじめて見ると、すぐに実践できる知識も多く、③勉強すること自体が楽しかった。もちろん、苦手な分野もあった。だけど、勉強していることと仕事がつながる、というのは学生時代にはなかった感覚。
学生時代は、
「こんなこと勉強して社会に出て役に立つのかよ?」
という疑念を常に持っていた気がするが、カラーコーディネーターの勉強は実用的で、むしろ前のめりに知識を吸収していた。

仕事に活かせる、実用的な勉強をすることは楽しい。
勉強を時間の無駄だと思えないから。好きな本を読むような感覚に近い。だから、勉強を始めるなら、自分の仕事に活かせる資格試験の勉強を初めてみるべき。

人の目を気にする

「競争的利他主義」という言葉がある。
好ましい人物であるとの評判を獲得できることが向社会的行動を引き出す。要は、人に見られていると社会的に良い行動をしやすい。例えば、ボランティア活動でゴミ拾いに積極的に参加することで、社会的に好ましい人物と捉えられるわけだが、実のところ自分の家ではゴミの分別もろくに出来ないだらしない部分があるかもしれない。人が見ていなければ、ポイ捨てするかもしれない。
他人の目があると、人は良い行動をする。というのは誰にでもある心理。

勉強も同じで、誰かに見られていることで、勉強がはかどることがある。
子供部屋では、子供が勉強をしているフリをしてるかもしれないが、ダイニングやリビングなど親の目の届く場所で子供が勉強すれば、サボることは難しい。
それは、子供だけが当てはまるわけではない。大人もおなじ。一人きりの空間になるとついつい怠けたくなる。

家にいると、勉強や仕事をサボるための誘惑がたくさんある。
実は、無駄なことに時間を使っている場合が多いのではないだろうか?
テレビを見ている時間はどれくらいあるだろうか?
移動に使っている時間、すきま時間はどのくらいあるだろうか?

高校や大学には自習室というものがあった。社会人にもそれが必要だ。社会人向け学校ビジネスは、勉強したい人に環境とやる気を提供する場所でもある。
独学する人は、その環境を自分で作り出す必要がある。スマホやパソコンを持たず、勉強道具一式を持ってカフェへでかけるのもいいかもしれない。子供がいるなら、子供が勉強している横で自分の勉強をするのもいい。
人の目を気にすることで、人は勉強を継続できる。

勉強の最終目標は資格取得ではない

目的は、抽象的ではだめだ。継続のためには、もっと明確な目的を持つ必要がある。何を知りたいのか?どのような知識を身につけたいのか?どのような能力を身につけたいのか?何をどこまでやるのか?

~中略~

資格は、長期目標ではない。つまり、最終的な目的ではない。

資格取得は、勉強を継続するための中間目標と考えるべきだ。資格は、それ自体に意味があるというよりは、勉強を進めるための目標であり、インセンティブだと考えるべきだ

引用:超独学法

確かに、一級建築士や司法試験、公認会計士などの難関な国家資格は、最終目標になりがち。
一級建築士を取得していない僕が言っても説得力がないが、資格は所詮パスポートに過ぎない。資格取得を通過点と捉えるか、最終目標と捉えるかで到達地点が変わってくる。
資格を取得した結果、
自分がどのようなライフスタイルを手に入れたいのか?
どのような仕事をしたいのか?

最終目標は終わりを思い描くことから始める。
「資格を取ったら、これで死ねる」
なんている人がいるわけがない。もしいたとしたらとっても貴重な人だ。

資格取得は、中期目標とするのがいい。資格を取ることは目的ではなくて、自分の理想の仕事やライフスタイルを手に入れるための手段。
そして、資格を取れたからといって、簡単に人生が変わるわけがない。
資格をとることによって、自分の活動範囲を広げて、自己実現の可能性を見出すことができるだけ。

中期目標を達成すると、また新しい到達地点が見えてくる。そこで新しく目標を設定することもできる。それを繰り返していくと、永遠に勉強は終わらない。まさに、独学の習慣の始まり

勉強すれば人生変わる?

僕が勉強とブログをはじめたきっかけのブログがある。
それが、東大六郎氏が運営する「勉強すれば人生変わる」というブログ。よくよく考えてみると、冒頭で紹介した「GOLDEN BOY」と重なる部分がある。

2015年、人生に行き詰まっていた僕がハマったブログ。東大六郎氏が東大に合格するまでのストーリーやブラック企業から脱出する話は読み応えがある。(僕が氏のブログから感化を受けたのは精神世界の話だけど、ここでは割愛。)
東大六郎氏の人生が行き詰まっていた時、壁を打破したのは「勉強」だった。そんな、東大六郎氏のブログに影響を受けて、僕は勉強をはじめた。そして、資格を取り、勉強が習慣となった。
最近は、とても忙しいけど、4~5年前のように塞ぎ込んだ気持ちになることもない。これはこの「勉強すれば人生変わる」というブログのおかげ。
もし、当記事を読んで、勉強に興味を持ってくれたなら、東大六郎氏のブログをぜひ読んでもらいたい。この記事より何百倍もいいことが書いてある。

さすらいのお勉強野郎になろう。
勉強すれば人生変わる
かもしれない。

参照:GOLDEN BOY/勉強すれば人生変わる/超独学法

筆者プロフィール:Koike Yusuke
海外の家具メーカーで働く、商品開発エンジニア兼デザイナー。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)/ マーケティング検定
(Twitterはお気軽にフォローください!@yusukekoike21

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